人生の転機となるようなことが起こる確率の高い、時期です。
ここのところ、たくさんの方から年度末のご挨拶をいただいております。
新しい環境にとびだす方々へ。私からの応援メッセージ。
それは、ブリッジズの『終わりは、はじまり』。
キャリアカウンセリングを学んだ人なら避けて通れないもののひとつに
トランジション理論というのがあります。
(だって、筆記試験にでる範囲ですものねー^^;)
ウィリアム・ブリッジズという人の提唱しているトランジション理論では
「人生のある状態が終わり、新たに別の状態が始まる」と定義されています。
ブリッジズの表現によれば、トランジションは生涯を通じて起こるものであり、
一生同じことをする同じ人間ではいられない。
たとえ人生が安定している気がしても、自分で変化を起こすか、
変化に見舞われるかのいずれかとなる、とのこと。
終わるということ。
始まるということ。
じつに単純なことなのですが、不思議なことに、世の中の多くの人は
これから始まることにばかりにほとんどすべての関心がいってしまって
そのために必要以上に動揺したり、取り乱したり、あるいは、
対策をたてるために情報収集に走ったり、種々の対応策に奔走したり。
その結果、環境にスムーズに適合できなかったり、
ちぐはぐなことが起こる現象に納得感がわかないという体験をしている
方も多いようです。人生におけるゴチャゴチャ感の原因はここにあるようです。
私からみて、どうやら、次のフェイズにすんなり入っていかれない人には
共通することがあるように思うんです。
それは・・・
何が終わったのか、ということに
ほとんど眼を向けないことです。
ちゃんと終わっていないから、ちゃんと始まっていかない
ということなのでしょう。交通整理が必要、というわけです。
この終わり(終焉)のときにきちんと向き合えさえすれば、
そのあとの段階として、ニュートラルな時期に入ります。
そしてこのニュートラルな時期に自分の存在や行動のあり方を
棚卸しすることは人生にとって、とても重要なプロセスなんです。
これを通り過ぎて、そのうえで『始まり』に移行していきます。
このプロセスをきちんと通過していると、人生における象徴的な
出来事や転機とうまくつきあいながら、前に進んでゆける。
面白いことに、『始まり』って意外と強い印象を残さないものなんだそうです。
たいていの場合、振り返ってはじめてわかるもの、とブリッジズは言っています。
どんな人間にも、唯一変わらないことがある。
それは、『変化する』ということ。
なにかが終わり、なにかが始まる。
いまのあなたは、何を終えて、何を始めようとしていますか?
一瞬立ち止まって、一瞬心を静めて。
一瞬呼吸を整えて、一瞬振り返って。
自分がまさにいま終えようとしているものがなんであるかを
自分の眼と心で、見つめてほしいなと思います。
しっかり検証して、納得のいくスタートになりますように。
年度末に転機を迎える皆さまへの
チャンスの女神からの応援メッセージです。